ステップ 0
全体の流れ
本ガイドは7つのステップで構成されています。一つずつチェックを付けながら進めてください。所要時間の目安は、ダウンロード待ちを含めて約30分です。
1
Pythonをインストール
公式サイトからインストーラーを取得して実行します。所要時間:約5分。
2
インストールを確認
コマンドプロンプトで python --version と入力して、バージョン表示を確認します。所要時間:約2分。
3
VS Code をインストール
本コースで推奨するエディタ「Visual Studio Code」を入れます。所要時間:約5分。
4
VS Code を日本語化(任意)
メニューを日本語に切り替えます。所要時間:約2分。
5
Python 拡張機能を入れる
VS Code に Python 用の補完・実行機能を追加します。所要時間:約3分。
6
はじめてのファイルを動かす
「hello.py」というファイルを作って実行し、出力を画面で確認します。所要時間:約5分。
7
ライブラリを追加する
openpyxl と pandas を pip で導入します。所要時間:約5分。
本ガイドの読み方
各ステップには「やること」「画面の見え方」「うまくいったか確認する方法」「よくあるつまずき」が書かれています。順番に読み、上から実行していくだけで構いません。
すでにPythonが入っている方は ステップ2の確認 から始めてください。
ステップ 1
Pythonをインストールする
1-1. インストーラーをダウンロード
ブラウザで Python 公式サイトを開きます。
URL: https://www.python.org/downloads/
ページを開くと、お使いのOSが自動的に判定され、トップに 「Download Python 3.x.x」という黄色いボタンが表示されます。これをクリックしてインストーラーをダウンロードしてください。
バージョンについて
本コースは Python 3.10 以降を想定しています。公式サイトに表示される最新版(3.12 や 3.13 など)を選んで構いません。古い 2.x 系は使わないでください。
1-2. Windowsの方:インストーラーを起動する
ダウンロードしたファイル(python-3.x.x-amd64.exe のような名前)をダブルクリックします。
最重要:「Add Python to PATH」に必ずチェックを入れる
インストーラー最初の画面の一番下にあるチェックボックス「Add Python 3.x to PATH」(あるいは「Add python.exe to PATH」)に必ずチェックを入れてください。
ここを忘れると、後でコマンドプロンプトから python を打っても認識されず、ほぼ全員がつまずきます。
チェックを入れたら、画面中央の「Install Now」をクリックします。あとは数分待つだけです。完了画面に「Setup was successful」と出れば成功です。
1-3. macOSの方
ダウンロードした python-3.x.x-macos11.pkg をダブルクリックして、画面の案内に従って「続ける → 続ける → インストール」と進めれば完了です。macOSは PATH の設定をインストーラーが自動で行ってくれます。
1-4. インストールが終わったら
インストール画面はそのまま閉じて構いません。次のステップで動作確認をします。
ステップ 2
インストールを確認する
2-1. コマンドプロンプト(ターミナル)を開く
Windowsの方:画面下のスタートボタン横の検索ボックスに cmd と入力し、「コマンド プロンプト」を開きます。または、Windows+R キー → cmd → Enter でも開けます。
macOSの方:Launchpad → 「その他」 → 「ターミナル」を起動します。
黒い背景(macOSは白い場合あり)に文字を打てる画面が出てくれば、それがコマンドプロンプト(またはターミナル)です。以降、本ガイドでは単に「ターミナル」と呼びます。
2-2. バージョン確認のコマンドを入力
ターミナルに次の1行を入力し、Enterキーを押してください。
C:\Users\you> python --version
Python 3.12.4
2行目のように Python 3.x.x と表示されれば、インストール成功です。3.10以上であれば本コースを進められます。
2-3. pip も確認する
続けて以下を入力します。pip はPythonで他の人が作ったライブラリを取ってくる便利なコマンドです(ステップ7で使います)。
C:\Users\you> pip --version
pip 24.0 from C:\Users\you\AppData\... (python 3.12)
バージョン番号が表示されればOKです。
よくあるつまずき:「'python' は、内部コマンドまたは外部コマンド...として認識されていません」と出る
これはステップ1で「Add Python to PATH」のチェックを入れ忘れたサインです。慌てず以下を行ってください。
- Windowsの設定 → 「アプリ」 → インストール済みアプリから「Python 3.x.x」を選択 → 「変更」をクリック
- 表示された画面で「Modify」 → 次の画面で「Add Python to environment variables」にチェック
- 「Next」 → 「Install」で再インストールが走り、設定が反映されます
- ターミナルをいったん閉じて、もう一度開いて
python --version を試す
ステップ 3
VS Code をインストールする
Visual Studio Code(略称:VS Code)は、Microsoft社が無料で配布している、世界中で最も広く使われているプログラミング用エディタです。本コースでは VS Code の使用を強く推奨します。
なぜVS Codeを推奨するのか
- 無料で、商用利用も可能
- 軽快に動く(古めのPCでも快適)
- Python拡張機能を入れるだけで、補完・実行・デバッグが揃う
- 日本語化がワンクリックで完了する
- 学習教材・解説記事が圧倒的に多いので、検索すれば必ず答えが見つかる
3-1. ダウンロード
ブラウザで以下を開きます。
URL: https://code.visualstudio.com/
トップページの大きな青いボタン「Download for Windows」(またはお使いのOS用ボタン)をクリックします。
3-2. インストール
Windowsの方:ダウンロードした VSCodeUserSetup-x64-x.xx.x.exe を実行します。
- 「使用許諾契約書」→「同意する」
- 「インストール先」→ そのまま「次へ」
- 「追加タスクの選択」→ 「PATHへの追加」のチェックは付けたままにする(初期状態でチェック済み)
- 「インストール」 → 数分で完了
macOSの方:ダウンロードしたZIPを展開し、出てきた Visual Studio Code.app を「アプリケーション」フォルダにドラッグするだけで完了です。
3-3. 起動
インストールが終わったらVS Codeを起動します。最初に「Welcome」タブが表示されます。これでVS Codeの導入は完了です。
ステップ 4
VS Code を日本語化する(任意)
初期状態のVS Codeはメニューが英語です。日本語のほうが操作しやすい方は、以下の手順で1分ほどで切り替えられます。英語のままでも本コースは進められます。
4-1. 拡張機能ビューを開く
左側の縦に並んだアイコンの中から、四角が4つ並んだアイコン(Extensions)をクリックします。または Ctrl+Shift+X(macOSは ⌘+Shift+X)でも開けます。
4-2. 日本語パックを検索
上部の検索ボックスに次のように入力します。
検索結果の一番上に「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」(発行者:Microsoft)が出てくるので、その「Install」(インストール)ボタンをクリックします。
4-3. 再起動を求められたら
インストール直後、画面右下に「Restart to apply the language change(再起動して言語変更を適用)」というメッセージが出るので、「Restart」(または「再起動」)をクリックしてください。VS Codeが再起動し、メニューがすべて日本語になります。
本ガイドの記載
以降のスクリーンショットや操作説明は、英語表記と日本語表記を併記します。お使いのVS Codeの言語に合わせて読み替えてください。
ステップ 5
VS Codeに Python 拡張機能を入れる
VS Code に Python 用の機能(コード補完・実行ボタン・エラー指摘など)を追加します。これも拡張機能で1分ほどで完了します。
5-1. 拡張機能を検索
左側の拡張機能ビューを開き(Ctrl+Shift+X)、検索ボックスに次のように入力します。
5-2. インストール
検索結果の一番上に表示される、発行者がMicrosoftの「Python」を選び、「インストール」をクリックします。よく似た拡張機能が複数表示されますが、必ず発行者がMicrosoftのものを選んでください。
インストールが完了すると、自動的に関連する「Pylance」という拡張機能も同時に入ります。これも Microsoft 製で、コード補完を強化してくれる便利な拡張です。
本コースで入れる拡張機能はこれだけ
はじめは「Python(Microsoft製)」を1つ入れれば十分です。慣れてきたら必要に応じて「Excel Viewer」や「indent-rainbow」などを足してください。最初に大量に入れすぎると、かえって動作が遅くなります。
ステップ 6
はじめてのファイルを動かす
6-1. 作業用フォルダを作る
デスクトップなど分かりやすい場所に、新しいフォルダを作ります。名前は python-study や 業務自動化 など何でも構いませんが、半角英数字を推奨します。
6-2. VS Code でフォルダを開く
VS Code のメニューから、「ファイル」(File) → 「フォルダーを開く」(Open Folder) を選び、いま作ったフォルダを開きます。
「このフォルダー内のファイルの作成者を信頼しますか?」と聞かれたら「はい、作成者を信頼します」を選んでください。
6-3. 新しいファイルを作る
左側のエクスプローラービュー(フォルダー名が表示されている場所)で、フォルダー名の右側にマウスを動かすと現れる「新しいファイル」アイコンをクリック、または右クリック → 「新しいファイル」を選びます。
ファイル名を hello.py と入力して Enter キーを押してください。拡張子 .py がPythonファイルの目印です。
6-4. コードを書く
右側のエディタ部分に、以下のコードをそのまま入力してください。コピー&ペーストで構いません。
# 最初のプログラム
print("Hello, Python!")
print("環境構築おつかれさまでした。")
name = "あなた"
print(f"{name}の業務自動化、ここからスタートです。")
入力したら、Ctrl+S(macOSは ⌘+S)で保存します。
6-5. 実行する
エディタ右上の「▷」(三角形)の実行ボタンをクリックします。または、エディタ内で右クリック → 「ターミナルでPythonファイルを実行」を選びます。
画面下部にターミナルが開き、次のように表示されれば成功です。
PS C:\Users\you\python-study> python hello.py
Hello, Python!
環境構築おつかれさまでした。
あなたの業務自動化、ここからスタートです。
おめでとうございます
これでお使いのPCで本物のPythonコードが動きました。hello.pyのコードを書き換えて何度か実行してみてください。書き換える → 保存(Ctrl+S) → 実行(▷)の繰り返しが、これからの基本的な学習サイクルになります。
6-6. うまく動かないとき
「Python インタープリターを選択してください」と出る
画面下のステータスバー、または右上に「Select Interpreter」と出る場合、いま入れた Python が選ばれていません。その通知をクリックするか、画面下部右側にある「Python」の表示をクリックして、リストから Python 3.12.x(またはインストールしたバージョン)を選んでください。
画面が真っ黒で何も出ない
実行ボタンを押した直後はターミナルの起動に1〜2秒かかります。少し待ってください。それでも何も出ない場合は、ファイル名が hello.py になっているか(.txt になっていないか)、保存し忘れていないかを確認してください。
ステップ 7
ライブラリ(openpyxl / pandas)を追加する
本コースのコース2「Excel業務効率化」で使う2つのライブラリを、いまのうちに入れておきます。「ライブラリ」とは、他の人が作ってくれた便利な機能の集まりのことです。
7-1. VS Code のターミナルを開く
VS Code のメニューから「表示」(View) → 「ターミナル」(Terminal) を選びます。または Ctrl+`(バッククォート)でも開けます。画面下部にターミナルが表示されます。
7-2. openpyxl をインストール
ターミナルに以下を入力して Enter を押します。
数十秒から1分ほど待つと、最後に「Successfully installed openpyxl-x.x.x」と表示されればインストール成功です。
7-3. pandas をインストール
続けて以下を実行します。pandasはやや大きめなので、ダウンロードに少し時間がかかります(1〜3分)。
7-4. 入ったかどうか確認
次のコードを check.py として作成し、実行してエラーが出なければ成功です。
import openpyxl
import pandas as pd
print("openpyxl:", openpyxl.__version__)
print("pandas:", pd.__version__)
print("準備OK。コース2へ進めます。")
PS C:\Users\you\python-study> python check.py
openpyxl: 3.1.5
pandas: 2.2.2
準備OK。コース2へ進めます。
「pip がコマンドとして認識されません」と出る
ステップ2で pip --version がうまく動かなかった場合と同じ原因です。python -m pip install openpyxl のように、頭に python -m を付けると動くことが多いです。それでも駄目な場合は、ステップ2の対応策に戻って Python の再インストールをしてください。
ステップ 8
困ったときのチェックリスト
環境構築でつまずいたら、以下をひとつずつ確認してみてください。9割の問題はこの中にあります。
① ターミナルでpythonコマンドが効かない
'python' は内部コマンド...として認識されていません と表示される場合は、「Add Python to PATH」のチェック忘れがほぼ100%の原因です。ステップ2の対処手順で再インストールしてください。
② VS Codeの▷ボタンを押してもPythonが動かない
画面下部のステータスバーで、現在選ばれているPythonインタープリターを確認してください。「Python 3.12.x」のように表示されていなければ、その表示をクリックして選び直します。
③ pip installがエラーで止まる
「PermissionError」が出る場合は pip install --user 〇〇 を試してください。社内ネットワークの制限で外部接続できない場合は、情報システム部門に「pythonのpipで pypi.org への接続が必要」と相談してください。
④ ファイルを保存しても実行結果が変わらない
ほぼ間違いなく、保存(Ctrl+S)を忘れています。ファイル名の右に黒い ● が付いていたら未保存の印です。Ctrl+S を押して ● が消えたのを確認してから再実行してください。
⑤ 日本語が文字化けする
VS Code の右下にある「UTF-8」表示を確認してください。「Shift_JIS」になっている場合は、その表示をクリック →「Reopen with Encoding(エンコーディングで開き直す)」→「UTF-8」を選びます。
⑥ それでも解決しないとき
出ているエラーメッセージをそっくりそのままコピーして、Google検索または Windows Copilotに貼り付けてください。エラー文を1文字でも変えずに貼ることで、的確な解決策にたどり着けます。
完了
準備が整いました
これで本コースを進めるためのPython環境が、お使いのPCに整いました。お疲れさまでした。
次は、いよいよ Python の文法を学びます。コース1「Python基礎」から順番に進めてください。コース1のコード例はこのサイト内のブラウザ実行でも試せますが、せっかく環境を作ったのですから、ぜひVS Code上でも同じコードを動かしてみてください。手元で動かすほうが、実際の業務へつなげる感覚を掴めます。